ガン患者に必要なのは、自分にとっての名セコンドを見つけること
どーも、こんにちは!アトピーで乳がんだけど元気にヨガインストラクターしているaya.です!
先日、3ヶ月に一回の通院を終えて、改めて、この先生に診て頂いてよかったなと実感しました。特に何かあったわけではないんですが、同じ空間にいて、たわいのない話をしていても(そもそもたわいのない話ができる先生というのが貴重かも)安心感しかないんです。
患者と主治医の関係性について、改めて思ったことを書いてみようと思います。
ガンの恐怖よりも流されていく恐怖
私は、2018年に福岡市内でも有名な乳腺外科で乳がんのステージ4と診断を受けました。
その病院は、母がずっと検診に行っていて、その影響で私もそこでずっと検診を受けていました。
ガンの診断を受けた腫瘍も診てもらったことがあり(その時は良性でした。その後、すくすくと、4.8センチまでに成長してしまったんですが)同じ病院で診てもらおうと思ったんです。
先生は男性で、50代くらいの貫禄のある体格で、ちょっと近寄りがたい威厳のある雰囲気を醸し出している方でした。(後になって笑顔は可愛いことに気づいた)

個人的なことですが、私はいわゆるオジサン……50代〜60代くらいの男性がかなり苦手なんです。前職、前々職時代に怒鳴られて貧血になったことが2回ほどあります(笑)
なので、この先生は私の一番苦手なタイプでした。これは本当に申し訳ないのですが先生の人格には関係なく、私個人のトラウマのせいなんですが……
病院に行った時には、私の腫瘍は4.8センチ。服の上からでもハッキリ分かるくらいの大きさだったので、すぐに針生検をすることになりました。
針生検というのは注射器状の針を腫瘍に刺して、細胞をとり、詳しく検査するというもの。採血する時くらいの太さだったかな?
だから特に麻酔とかはせず、説明も特になく、あれよあれよという間に、ブスッ!ブスッ!っと(胸のしこりと脇のリンパからも細胞を取りました)今まで生きてきて針なんて刺したことないところに刺されたので、痛みよりも恐怖の方が大きかったです。(せめて心の準備させて欲しかった)
その時、先生が「まあ、良性だと思うけどね〜。一週間後に結果聞きにきて〜」と言ったのですが、内心、「そんなこと言って、悪性だったらどうすんの???」と思ったのを覚えています。
この先生は、いい意味でも悪い意味でも、かなりアッサリしている先生で、一週間後、結果を聞いた時も、
「結果はね、悪性……、まあ、ガンですね」と言われ、頭が真っ白になっている私に畳み掛けるように
「それでね、精密検査をしないといけないんだけど、精密検査は手術をする病院で受けないといけないんだよね。うちで受けるなら、うちで精密検査するし、別の病院でするならそこで精密検査を受けて」
と言われました。今ですら、こんなにのほほんとしている私ですが、さすがにガンと言われた時はショックでした。
先生にしてみれば、ガンの告知なんて日常茶飯事なのかもしれませんが、私にとっては、もちろん初めてのことですから、すぐには現実が受け止められず、答えることができませんでした。
そこで、やっと、私がショックを受けていることが先生に伝わったようで、「家に帰って考える?」と言ってくれたのはよかったのですが、これまた畳み掛けるように「じゃ、2日後に返事ちょうだいね」と言われてしまいました。
ガンと言われ、何も考えられない状態で2日という期限をつけられたことが、私にとっては大きなプレッシャーでした。
ガンになってから恐怖感に襲われたのは、後にも先にも、この2日間がピークでした。じっくりと考えたいけど時間がないという焦りでかなり追い詰められたのを覚えています。
結局、この病院で精密検査を受けることにしたんですが、その精密検査の結果を聞いた時も同じような感覚でした。
ただ、その時はもう立ち直って通常モードに戻っていたので、追い詰められることはありませんでしたが……。
結果を教えてはくれるんだけど、患者にわかるように説明しようって気はないんだろうなーって感じで……なので当然質問をする余地もない(そもそも理解できてないから質問もできないんだけどさ)
とはいえ、質問をすれば、嫌な顔せずに答えてくれるんですよ。だけど、質問するには自分で会話の流れをぶった切る勇気が必要なんですけどね……(汗)
先生の中では、抗がん剤+手術という治療の流れがもう決まってしまっていて、決定事項を知らされているという感じで、私には選択の余地がないといった感じ。(私の腫瘍には90%以上ホルモン受容体があり、ホルモン治療か化学治療(抗ガン剤)という選択肢があった)
ただ、救いだったのが、肺に転移している可能性があり、転移であれば化学療法ではなくホルモン療法となるそうで(これは調べたけどなんでかまだわかりません)その結果が分かるまでホルモン治療しかできなかった(ホルモン治療はどっちの場合でも行って良いみたい)ため、すぐに抗がん剤を始められなかったんですね。
その病院は乳腺外科しかなかったので、肺転移かどうか調べるには、呼吸器科がある病院で検査を受けないといけなかったので。
とはいえ、検査結果がわからない、現時点でもホルモン剤なら使えるから、今日お腹に注射しとく?と言われてしまい……とにかく、早く早くと常に急かされているように感じました。
常に感じていたことが、結果を聞かされてから、考える時間が与えられない、というか選択権がないということ。
私の意思は置いてきぼりで、ベルトコンベアに乗せられて、どんどん流されていくような感覚。まな板の上の鯉ならぬ、ベルトコンベアの上の鯉って感じ。
そして、とにかく周りが急かしてくるんだ!これが!!
そしてもう一つ、先生はもとより、家族にも友達にも、とにかく周りの人に急かされるということ。
これにはかなり閉口しました。
私はもともと、頭の回転が速い方ではないので、一旦立ち止まって物事を整理してからじゃないと考えられないんですよね。
だから熟考するのが苦手で、いつも直感で決めてしまうんですが、さすがに今回は直感だけで決めてしまうには問題が大きすぎるので、いろんな病院を回って話を聞いて、自分の希望と照らし合わせながら時間をかけて決めようと思っていたんですね。
しかし、セカンドオピニオンをしたいと言った瞬間、それまで優しかった弟が急に声を荒げました。
「セカンドオピニオンなんて!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!早く治療してよ!!!」
それまで、全くそんなことおくびにも出さなかったので、びっくりしました。
ステージ4と言われたことが私以上にショックだったようで、でも、きっと私が不安がると思って、ずっと隠していたんだと思います。
それなのに、当の本人が、大して気にした様子もなくのほほんとしているので、腹が立ったんでしょうね……(汗)
その時は「何で、私が私の治療方針や病院を決めるのに怒られんといかんと?!」って思ったんですが、弟の不安は当然と言えば当然で……
母も亡くなって、父とは疎遠で、弟にとっては、私はたった一人の家族です。母が亡くなってまだ4年しか経っていなかったので余計にショックが大きかったのだと思います。
そんなこんなで、一旦病院探しは諦めて、目に見える形で治療を始めようと決めました。
やっつけで行ったセカンドオピニオンで今の主治医と出会う
そんな経緯があって、時間をかけて病院を探すのは一旦諦めたのですが、先生にセカンドオピニオンを受けたいと伝えてしまっていたので、とりあえず肺転移を調べるために行った総合病院で、ついでのつもりで期待せずにセカンドオピニオンを受けることにしました。
その時セカンドオピニオンをしてくれたのが、今の主治医の先生。
結果的にこのセカンドオピニオンで転院を決めたのだけど、その時に言われた言葉が未だに心に残っています。
「僕は患者さんの生活環境、仕事、家族、その他もろもろを聞いた上で治療をする。あなたとは今日、初めましてで、僕はあなたのことを何も知らないから、今日は一般的な意見しか伝えられないけどいいかな?」
今思えば、その言葉を聞いた時に、もう心は決まっていたんだと思います。
先生と話す中で、自分はヨガインストラクターで、仕事をしながら治療をしたいこと、なるべく今の生活スタイルを変えたくないこと、髪が抜けるのも嫌だし、手術もしたくないことを伝えたところ、ホルモン療法がいいだろうねと言われ、そこで転院を決めました。
それともう一つ、転院する決め手になったのが、私の病状について、私はもちろん、弟にもちゃんとわかるように説明をしてくれたこと。
ステージ4と言っても、乳がんは治療法も薬もたくさん開発されているから、そんなに心配する事はないと言ってくれたことで、弟が安心しているのが目に見えてわかりました。
初めの病院でも、同じように自分の希望を伝えて、できれば抗がん剤は使いたくないと伝えたのですが、
「抗がん剤使っても仕事できるよ、髪は抜けても半年もすれば生えてくるから大丈夫!」
と言われてしまいました。それは私を元気付けるためだったのかもしれないけど、そう言われた瞬間、
あ、この先生にはわかってもらえない、会話ができないと思いました。
ただ、私には合わない先生だったというだけ
初めの病院の先生が悪い先生と言うわけではなくて、むしろ少しでも早く治療をして確実に治してあげたいという思いからの発言や、行動だったのだと思います。
ただ、私は、考えるのに時間がかかる方だし、自分の命や生き方に関わってくることは、できれば自分で選びたい。
今の先生は、基本的に私に選択権を委ねてくれています。
私の腫瘍は4.8センチから2.4センチまでに縮小して(多分今はもっと小さくなってる)手術ができる大きさになっているので、先生としては手術をしたいようですが、私が手術をすると言わない限り無理強いせず、待ってくれる。
何か新しい治療や検査があってもそれをやるかどうか、考える時間をちゃんと与えてくれるので、焦ることなく安心できます。
どっちがいいとか悪いとかではなく、私に合うのが、今の先生だったというだけ。
理想はボクサーとセコンドのような関係
私が理想とする、患者と主治医との関係って、ボクサーとセコンドのような関係。
患者は病気である以上、多かれ少なかれ常に不安を抱えています。
その不安と闘うためには主治医との信頼関係が必要不可欠です。
以前紹介した「笑いと治癒力」の中で、著者のノーマンカズンズ氏は「一番大切なのは私(著者)が自分の言ったこと全てに対する信念を失わぬことだと励ましてくれた。博士(主治医)はまた、回復の可能性について私と同じように希望を持っており、博士と私との相互協力という考え方は、まことに結構だと言った」と書いています。
500人に1人しか治らないと言われた膠原病を治すことができたのは、本人の意思はもちろん、それを支える主治医の存在があったからこそだと思います。
ぜひ、そんな主治医を探して欲しいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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